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8月7日(熊ノ平小屋〜北荒川岳〜塩見岳(東峰・西峰)〜塩見小屋〜本谷山〜三伏峠小屋) 天候:雨後晴
<縦走6日目雨の中出発し塩見岳へ、そして縦走中間点三伏峠へ>

 
3:10に起きたが、依然として雨がポツリと降っていた。そしてまた強くなった。朝飯は梅干茶漬とした。ラジオをかけてみた。4:00の天気予報によると、停滞している梅雨前線が活発になり、北海道・東北はもちろん北陸・関東・甲信越に大雨が降るとの事だった。ここ1.2日は雨で、「(南アルプス)南部に進むための試練」かと思った。EPIガスカートリッジの1本目が残り少なくなってきた。雨が降り続いているだけに動きが鈍い。ようやく重い腰を上げ、雨の中テントを畳み、小屋に木札を戻した。

 5:30と遅れて出発、ラジオをつけっ放しで行った。林の中の平坦な尾根道となったが、所々に水溜りがあった。ラジオで天気予報がかかった。関東・静岡・長野県南では雨は午前中までとの事だった。ひとまずほっとした所か。6:30過ぎに雨が止んできた。今度は登り坂となり、登り切ったら岩が露出した所に出て展望が開けた。そして少しアップダウンし、7時近くに小岩峰に着いた。そこには2人いた。しかしまたガスってきて雨が降り出した。少し下ると樹林帯となり、あまりアップダウンがなくなる。天気が悪い時にはありがたい道だ。新蛇抜山の東を巻くが、いつ巻いたのかわからない位だ。それだけすっきりと歩けた。8時前後に20分位休憩した。平坦な道が続いたが、最後は一気に急な登りとなった。

 登り切ると8:40近くに北荒川岳の頂上に着いた。丁度ガレの縁に出た所で、頂上には既に2人いた。晴れ間も見えてきて今後は天気が回復する気配を感じた。しかし塩見岳の方はガスっていて見えなかった。塩見岳方面から10人位の大学山岳部らしいボッカ部隊が来て、山頂を通り過ぎた。皆一様に非常に大きいザックを背負い、隊長らしい人が「しっかり返事しろよ!」と声を出すと隊員が呼応する等のやり取りをしていた。それにしてもこんな今時伝統的なボッカ訓練が行われているのだなあと思える位だ。

 8:50過ぎに出発、右側がガレた土の道を進む。緩い下りを少しながら下り切ると、トイレと思える程の小さな小屋があるキャンプ地に着いた。オレンジ色のテント1張が張ってあった。この付近からお花畑になった。ガレの縁から離れ、お花畑の中を行く。お花畑が終わるとハイマツ帯となり、緩い登りとなった。9:40に雪投沢分岐と思える所を通り過ぎた。「塩見小屋では幕営できません」と書かれた看板が立っていた。左手下の方が緩やかになっていてなおかつ地面が露出している所があったので、ここから下れば雪投沢のキャンプ地だなと納得できた。いよいよ急坂となり、塩見岳の肩と言える所を目指す。そしてすっかりガスってしまった。

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 10:20にやっと北股岳分岐に着いた。ここから蝙蝠尾根を通って蝙蝠岳を往復できるが、かなり時間もかかり、今回も計画に入れないで来た。デポしてあるザックが1個あり、その人は蝙蝠岳を往復しているのだろう。私は休憩としたが、その間に2人そして3人通り過ぎて塩見岳の方へと向かった。10:40過ぎに出発、いよいよ塩見岳への登りとなった。始めは緩やかだが、岩稜の尾根でより狭く、岩の上を行く所もあった。雨が少し降ってきたが、やがてやや強くなってしまった。

 最後に一気に登ると11:15過ぎに南ア中部の雄、塩見岳の東峰の頂上に着いた。あいにくの天気の中、三脚を立ててセルフタイマーを使うが、1回目は三脚ごと倒れてしまった。幸い1・2m先で止まり、カメラも無事だったが、一歩間違えばカメラが三脚ごとガケの下に落ちてしまった所だった。そして2回目でうまく「ザック挙げ」のポーズを撮れた。後ろから背の高い男性が来た。彼は広河原から入り、北岳を越えて来たが、本来なら南部に進んで椹島(さわらじま)に下りる予定だったという。しかし途中でハイマツに足をとられて挫いてしまい、三伏峠から塩川に下りるという。一瞬ガスが晴れて西峰が見えた。西峰には大勢の人がいて、その時歓声が揚がった。今度は西峰へと向かう。時間をストップウォッチで計った所、1分43秒だった。駆け足なら1分もかからないだろう。西峰でも「ザック挙げ」を行った。西峰にいた人のかなりが東峰へ移り、今度は東峰も賑わった。

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 11:50近くに出発、岩礫帯の下りで、気を付けなければならない所だ。ジグザグに下って行くが、尖った岩の床で転んだらけがしそうだ。後ろにいた中年夫婦の方から落石がこちらに向かって来たが、間一髪で交した。直径20cm位で、当たったら転んでいただろう。しかも雨が降った後で多少濡れているので尚更注意して行かなければならない。何とか下っていくと、今度は広いハイマツの尾根となった。最後に短い登りを登り切ると風速計が見え、間もなく小屋が見えた。

 12:30に塩見小屋にようやく着いた。小屋の前にある木のテーブルとベンチに身を落ち着け、いつもより遅い昼食とした。昼食は炒飯だった。後ろから塩見岳東峰で会った男性が来たが、彼は何と46歳だという。背が高く体育の先生の様な風貌で、とてもそんな歳には見えなかった。30台だろうと思っていただけに驚いた。私は彼に自分の縦走の経路と目標について話した所、「羽が生えてるんじゃないですか、タフですね」と彼に言われた。前夜から天気がぐずづいていたのが晴れてきて、西には中央アルプスが望め、すぐ東には塩見岳が聳えていた。横にいた年配の男性が私にソーセージを差し出してくれ、私はいただいた。小屋の前は10人位いて、テーブルの前に腰掛けたりしてくつろいでいた。

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 13:20過ぎに出発、2・3人のパーティーに続いて出発した。先の方には烏帽子岳や三伏峠が望め、更に遠くに仙丈岳や御岳山も望めた。緩やかにジグザグに下って行く。13:35過ぎに塩見新道との分岐を通り過ぎた。この道は塩見小屋への荷揚げに使っているとの事だが、一般の人が使うにはいわゆる「足」がないので不便なコースである。樹林帯の中をジグザグに下って行くが、やがて急坂となった。そしてしばらく平坦な道を行く。この辺りは尾根から東に外れていて、権衛門沢源頭部であり、すっかり樹林の中だ。そして急な登りとなり、登り詰めて小ピークを1つ越えると本谷山が見えてきた。しかしなかなか着かない感じがした。緩い登りが延々と続いている感じだ。途中大パーティーとすれ違った。まさしく老若男女がいてざっと19人だ。塩見小屋も今夜は相当混みそうだ。平坦になったりするが、全体的に緩い登りと言えるものだった。もうすっかり晴れて夏空となった。

 15時前にやっと本谷山の頂上に着いた。後から2人も着て頂上は5人程となり、まさしくパーティー全員集合といった感じとなった。360度の展望が得られ、振り返ると塩見岳が望め、南の方にはこれから目指す南部の悪沢岳と荒川中岳が望め、更に中央アルプスも望めた。そして山頂にいる人達がそれぞれおしゃべりをし出した。三伏峠から下るという男性は別の年配の男性と足の話をすると、年配の男性は彼に素晴らしい膝のサポーターを紹介した。すると彼は性能・価格共に納得し、欲しいと言っていた。又、彼は東京から来たといい、バスの運転手で今回は何と2週間の休みがあるという。その前は市場に勤めていたといい、その時は休みが2・3日しか取れなかったとか。それにしても凄い長期休暇である。羨ましい位だ。私も社会人になってからは1度でもその位の休みを取り、北アルプス主脈縦走に挑戦してみたいものだ。それはさておき、この頂上に30分も居座っておしゃべりをしてしまった。それでも昨年に比べれば短い。昨年は何と1時間も居座ってしまった。

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 15:30近くに出発、三伏峠から下るという東京の男性と共に行った。緩い下りを下り切ると三伏沢の方の小屋(以後沢小屋と呼ぶ)方面との分岐となった。沢小屋の方のテントサイトが見えたが一杯だった。分岐からは直進し、登りとなった。展望が開けると三伏峠小屋も見えてきて少し下りとなり、やがて平坦な林間コースとなった。程良く行くと16:20に三伏峠小屋のテントサイトに着いた。テントサイトは一杯であったが、何とか場所は確保した。テントサイトの向かいには古い方の小屋もあった。1分位行った所に新しい小屋があり、そこの玄関に入ってすぐの所にある受付でテントの申し込みをし、500円払った。更に腕時計のゴムバンドを補修するためにガムテープを少し分けてもらった。

 更に近くには三伏峠の大きな標識があった。そこで塩見岳から本谷山を経て三伏峠まで共に行った「パーティー」の1人の年配の男性に写真を撮ってもらった。昨年の南ア縦走では自分の写っている写真はここで最後となった。夜叉神峠を出発して6日間頑張ったが、台風で断念してしまった。今回も昨年同様夜叉神峠を出発し、鳳凰三山・早川尾根を越えて甲斐駒ヶ岳を往復し、北沢峠から仙丈岳に至った。更に仙塩尾根を忠実にたどり、北岳・間ノ岳・農鳥岳を往復して更に塩見岳まで進み、そしてついに三伏峠に至った。昨年同様6日間頑張り抜けた。この6日間をわざわざ最初からやり直したのだから、ここからエスケープしたのでは意味がない。更に南部へ進み、「全山縦走」を達成しなければ意味がないのである。

 テントサイトに戻り、東京の人の隣にテントを張った。東京の人と話している最中、私が全山縦走で光岳を目指している事を話した所、向かいのテントの男性が「僕も光岳を目指すんだよ」と割り込んできた。彼は広河原から入り、北岳を経て来たという。又、東京の男性は足が治ったら再挑戦すると言っていた。彼と2人に戻り、彼は私にビールを差し出してくれ、私はいただいた。そして2人で水取りに行った。峠から沢小屋へ行く道をたどり、緩い下りを行くと水場近くで烏帽子岳からの道と合流し、テントを出発して約10分で水場に着いた。そこには2人の若い男性も着ていた。見た目は学生に近かったのだが、彼らは30代前半だという。サービス業で4・5日しか休めないとも言っていた。

 翌日のために水を今のうちに充分に汲んでテントに戻る。夕食はビーフカレーと寒天海藻サラダとした。ラジオをつけて天気予報を聞いた所、翌日の天気は晴れだった。これで南部に進出できる!それにしても縦走6日目の出会いは昨年を彷彿させるものとなってしまった。塩見岳付近で出会い、塩見小屋・本谷山でおしゃべりをし、三伏峠に至った。前日からの雨でシュラフは多少濡れてしまった。身で乾かすしかない。下着もパンツと靴下を替えた。20時から21時には床について南部進出に備えた。

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コースタイム(全体はこちら)
時間 地点 コ メ ン ト 高度計
5:30出発
熊ノ平小屋 樹林帯を行く、ラジオの天気予報によると雨は午前中までとの事
6:53到着 小岩峰 樹林帯を行く、ラジオの天気予報によると雨は午前中までとの事
7:00出発
7:51から
休憩
8:09まで
8:39到着
北荒川岳 丁度ガレの縁に出る。2人既に来ていた。晴れ間も見えたが塩見岳の方はガス。10人くらいのボッカ部隊過ぎ去った。
8:51出発
8:59通過 北荒川キャンプ指定地 小さな小屋がありテント1張あり。お花畑を通過して行く。
9:40通過 雪投沢キャンプ指定地入口 「塩見小屋では幕営できません」の看板あり。
10:20到着 北俣岳分岐 デポしてあるザック1個あり。休んでいる間に計5人通り過ぎた。岩稜の登り。
10:41出発
11:17到着 塩見岳 まずは東峰。あいにくの天気の中「ザック挙げ」のポーズ撮る、広河原からの男性が来た。一瞬ガスが晴れて大勢の人がいる西峰が見えて歓声が挙がった。西峰まで1分43秒。ここでも「ザック挙げ」!。濡れた岩礫帯を注意して下る。
11:49出発
12:30到着 塩見小屋 遅い昼食、小屋の前は10人位、晴れてきて中央アルプスや仙丈岳が望めた、13:22出発、2・3人に続く、烏帽子岳や三伏峠が望めた、更には御岳山も
13:22出発
13:37通過 塩見新道分岐 樹林帯を行き小ピークを越えると本谷山が見えてきた。19人パーティーとすれ違う。
14:54到着 本谷山 頂上は5人程で「パーティー全員集合」といった所。すっかり晴れて夏空となった。360度の展望で塩見岳や南部の山々が望めて更に中央アルプスも望めた。各々おしゃべりタイムとなった。広河原からの東京の男性と共に行く。
15:26出発
16:20到着 三伏峠小屋
(テントサイト)
一杯だったが何とか場所を確保した。テントを設営するとなんと向かいに「光岳を目指す」若い男性がいて話に割り込んできた。ここで前年行った行程をやり抜けた事となった。東京の男性からビールをいただきそして水取りに行った。そして「南部進出」に備えた。

3D図2
行程断面図




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