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地図1
地図2 3D図1 3D図2 断面図



8月6日(北岳山荘〜北岳〜北岳山荘〜中白峰〜間ノ岳〜農鳥小屋〜西農鳥岳〜農鳥岳〜西農鳥岳〜農鳥小屋〜間ノ岳〜三峰岳〜三国平〜熊ノ平小屋) 天候:晴後くもり
<縦走5日目再び南ア最高峰北岳へ、間ノ岳より農鳥岳往復>


 早くも2:50に起きたが、既に周りは起きて動いている様だった。朝飯はわさび茶漬とした。水汲みとトイレに出かけた所、夜空の星がきれいだった。前日の夕方まであったガスが晴れた様だ。ただトイレは山荘から離れており、しかも木造の古いやつで床に四角い穴があるだけだった。山荘の立派さと比べれば・・・・・残念な所か。それは汲み取りの関係かな。テントに戻ったらもう既に私のテントの両隣は撤去されていた。朝が早いのか、動きが鈍い。テントを撤収してザックを背負い、4:50に出発した。又、小屋の前には鐘があった。

 岩稜の登りが連続し、トラバースしてたどる時もある。コースに沿ってロープが張ってある所や岩に印が付いている所もあり、それに従って行った。狭くて険しい割には行き交う登山者が実に多い。だが彼らのほとんどは軽装だ。吊尾根分岐を過ぎればあともう少しだ。頂上手前で前日両俣に下りてから北岳に登ると言っていた男性と再会した。今朝肩ノ小屋から出たのだろう。彼は「両俣からの登りは立っていられない位だった」と言っていた。地図を見てわかる通りその位険しい急登だったろう。

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 5:50、縦走5日目にしてやっと南ア最高峰、そして日本第2の高峰北岳の頂上に着いた!それも昨年に続いてであり、昨年同様360度の大展望が迎えてくれた。特に雲海の上に浮かぶ富士山は感動ひとしおで、これまでたどって来た仙塩尾根とその向こうには中央アルプスが聳え、仙丈岳はもちろん早川尾根の向こうには八ヶ岳が聳え、鳳凰三山の向こうには奥秩父の山々が聳えていた。更に南には間ノ岳と塩見岳が望め、更に南ア南部の山々が望めた。Wの様にアップダウンが激しいのは南部の兎岳か聖岳の方ではないかと昨年の時言っていた人がいた。それを思い出した。それにしても多くの人が頂上で大展望を堪能していた。

 私が山荘から頂上までの往復をサブザックではなくザックをわざわざ背負って行ったのは、北岳の頂上で「ザック挙げ」をやりたかったためである。そしてまたしても北岳でやってしまった。昨年の南ア全山縦走挑戦の前にも「北岳でザック挙げをやりたい」と思っていた。’93年、初の本格縦走だった大雪縦走において旭岳でそれを行って以来、私にとって縦走におけるトレードマークの様なものとなってしまった。白髪の人に南の方に望めるギザギザの山を尋ねた所、白峰南嶺の笊ヶ岳ではないかと言っていた。どこかの大学生らしいパーティーが「8kgのスイカ」を出していた。山頂標識は頂上だけではなく、その100m位手前の方に間ノ岳と同様のユニークなものもあった。それと富士山をバックにまた「ザック挙げ」を行った。

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 6:30近くに出発、まだ続々と登山者が登って来た。子連れのパーティーもいて、子供が急所を懸命に登っていた。前方に北岳山荘が見えてくると、その上の方に間ノ岳と中白峰の山容が迫ってきた。7:10過ぎにやっと北岳山荘に戻った。2.5l分の水を汲み、トイレに行って来た。山荘周辺は相変わらず登山者が結構多い。この先泊まり場までの水場は農鳥小屋より5分位下った所しかない。5分も下って取りに行くのは結構面倒臭い。もうそれが唯一の頼りなら別だが。7:30過ぎに出発、まず中白峰への急登を登って行った。後ろから5人の若い軽装のパーティーが来て、彼らを先にやり過ごした。

 山荘から30分少々で中白峰頂上に着いた。頂上には8人もいて振り返れば北岳山荘の上に北岳がどっしりと腰を下ろしているのが見え、更に頂上部が白っぽい甲斐駒ヶ岳とその西に続く鋸岳の稜線が望めた。2日遅れて甲斐駒の頂上に立てば360度の展望にまみえた所だろうか。早朝時と比べてかなり雲が増えてきた。間ノ岳から眺望が得られれば良いが。8:20近くに出発、岩稜をたどり間ノ岳へ戻って行く。前日の時と比べて足元は乾いており、視界も利いてすっきりと歩ける。前日仙丈岳を出て熊ノ平へ向かった男性と再会した。「体調が良くないので広河原へ下る」との事だった。緩い登りをひたすら行くと頂上部に差し掛かった。

 9:15にやっと間ノ岳の頂上に戻った。ガスはそれ程昇っておらず、360度の展望が得られた。何と富士山も望め、北の方には北岳と甲斐駒ヶ岳・鋸岳が望め、仙丈岳から仙塩尾根が続き南に行くに従い高度を落としてまた上がって行くのも望めた。更に仙丈岳方面から向こうに北アルプスも望めた。実は北アルプスはまだ一度も行った事がなく、いつか主脈大縦走でも挑戦してみたい所だ。すぐ南側には農鳥岳が見え、そこからこの間ノ岳との間で高度を落としているのがわかる。その落ち込んだ部分の方に農鳥小屋があるが、見えなかった。更に南の方には頂上部が鉄兜の様で遠くから見てもすぐわかる塩見岳と、もっと向こうに南ア南部の荒川中岳や悪沢岳・赤石岳それらはこれから目指す山々であり、特に南部は昨年台風で行けなくなっただけに絶対行きたいという気持ちが強い。

 頂上には10人位いた。また「ザック挙げ」を行ったが、今度は富士山や北岳をバックにして撮ってもらった。水を飲んだりカロリーメイトをかじったりし、結局大休止してしまった。昨年はここからではなく農鳥小屋でザックをデポして農鳥岳を往復し、直接三国平に出る巻き道を通ったが、今回は完全な尾根伝いによる縦走を達成するため、又赤石山脈を完全に歩き切るため、ここから農鳥岳を往復してから三峰岳を経て三国平に出る事とした。頂上近くにザックをデポし、ザックカバーを掛けた。

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 10時前にようやく出発、所々にある小ケルンの様な印をたどり、頂上部の緩やかな下りを過ぎるといよいよジグザグ状の下りとなって急斜面を下って行く。と同時に鞍部付近にある赤い屋根の農鳥小屋が見えてきた。以後、小屋に着くまで常に視界にあり、小屋が手に届くような近さに感じたりするが、そう簡単には着かない。所々に大きな石の混じる道は決して快適ではなく、下りが長く感じられた。下り切ると今度は緩い登りとなり、巻き道との分岐を通り過ぎた。そこまで来れば小屋は近い。

 10:40に農鳥小屋に着いた。小屋は赤い屋根の平屋の建物がいくつかあり、赤や青のドラム缶に黄色いペンキで受付やトイレ等の案内が書いてあった。小屋前の広場で休憩としたが、いいかげんな時間になったので昼食とし、山菜飯を食べた。振り返れば左に三峰岳で右に間ノ岳が聳えている。周辺には7・8人いた。中には白峰南嶺最南端の山伏から北上して熊ノ平小屋まで行ってからここまで来たという凄い人がいた。もしそれが山伏から白峰南嶺をずっとたどってここまで来たとなれば相当の大縦走であり、大したものである。水場は小屋の東側をジグザグに5・6分下った所にあり、昨年は取りに行ったが今回は時間の関係でやめた。そのためある程度水を大事にしなくてはならない。

 11時に出発、まず西農鳥岳の石の混じるジグザグな急坂を行く。稜線東側から怪しいガスが昇ってきた。正直言って時刻が遅いので、時間がなかったら西農鳥岳で引き返そうと思った。登って行くうちに右手に熊ノ平小屋が望めた。11:30過ぎに西農鳥岳の頂上に着いた。西の方には仙塩尾根が続いていて、それが塩見岳付近で盛り上がり、更に塩見岳の頂上が乗ったような感じになっているのが望めた。更に赤い屋根の熊ノ平小屋が米粒程小さく見えた。頂上には4人おり、私より少し先に出発した男性もいた。彼は農鳥岳に向かうと言う。私は折角ここまで来たのだし農鳥岳まで行ってしまおうと思った。彼より後に11:40過ぎに出発し、農鳥岳に向かって行った。

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 岩稜の尾根の少し西側の山腹をトラバースする感じとなり、下りとなったが、1ヶ所特に気を付けなければならない岩場があった。そこを慎重に下るとあとは緩い登りとなった。途中4人の中年女性パーティーを抜かした。12:10にようやく農鳥岳の頂上に着いた。かなりガスってきた上に小雨がポツリポツリと降ってきた。山頂標識は昨年あった古いものに替わり、間ノ岳にもあった山梨百名山のものになっていた。頂上は岩稜の上で狭いが何人もの登山者がいた。遅れて私が抜かした4人の中年女性が到着した。頂上は中年女性と若い男性でごった返す事となった。私は水を飲んで一息ついた。だが時間が時間であり、早く引き返したい所だ。

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 12:30近くに出発、来た道を戻って行く。緩い下りをひたすら行った後に注意すべき箇所を登り切り、一登りで西農鳥岳に着いた。農鳥小屋付近はガスが流れてはいるが、時々途切れ途切れになり、完全にガスってはいない様だ。あとは農鳥小屋まで一気に下る所だ。ジグザグの急坂をどんどん下って行った。13:20に農鳥小屋に戻った。テントは3張あり、その内2張は何とゴアテックスエスパースだった。このテントはゴアテックス素材を使ったテントの中でも最も良いと言われている。これらのテントはずっと張ってあり、周辺に何人かいた。又、小屋周辺には6人がいた。

 小屋のご主人さんがいて、私に「2人の女性に会わなかったか」と尋ねてきた。その2人の女性は奈良田から登って(農鳥岳を経て)来るという。私は間ノ岳からピストンし、彼女らしい人には会わなかった事を話した。昨年は台風が接近してきたために、このご主人さんに「天気図も作ってないのか」等叱られた。しかし今回は台風の様に大きく天気が崩れてしばらく回復しないという状態ではなく、あの様に叱られる事はなかった。昨年はここからザックを背負って巻き道を進んだが、今回は間ノ岳にザックを置いたままだ。戻らなければならない。

 13:40近くに出発した。北岳で見た子供2人を連れた母親が向かって来た。出発して10分程で巻き道との分岐で、ここは直進する。そして間ノ岳の山腹の大きな石の混じるジグザグな急坂を一歩一歩登って行った。始めは緩かったが次第に急になっていった。途中何人かの登山者が下りて来た。最後の詰めは緩やかになり、間ノ岳の山頂標識が見えてきた。14:40過ぎにようやく間ノ岳頂上に戻った。頂上には中年夫婦と1人の女性がいて、女性の方は北岳方面に行ってしまった。時間もそんなにないのであまりゆっくりはできない。

 再びザックを背負い、15時過ぎに出発した。ガスの中、ペンキ印を忠実にたどって行く。時折きつい下りも現れた。最後の急登を詰めると分岐となり、15:40過ぎに三峰岳の頂上に前日振りに戻った。前日同様ガスで展望が得られなかった。15:50過ぎに出発、ここから三国平の間は昨年たどらなかった区間だ。いきなり巨岩が現れ、前日の三峰岳への登り同様の険しい尾根で、時にはヤセ尾根となった。そこを注意して進んで行くと尾根が広くなってハイマツ帯となり、緩やかになった。最後に急な下りを行くと尾根が広くなってハイマツと土の平原になった。16:30に三国平の巻き道との分岐に着いた。

 小休止し、6分後に出発、しばらくはハイマツ帯の緩い下りだったがいきなり急になった。だがまた緩やかになった。「熊ノ平小屋」と書かれている標識も現れた。今度は木の階段とはしごがある下りとなり、下り切ると井川越で、右側がガレていてロープが張られていた。それを過ぎればもうすっかり樹林帯で、一登りで小屋のそばに出た。最後に小屋に通じる木の階段を登り、17時過ぎにやっと熊ノ平小屋に着いた。登山道が小屋のすぐ前を通るようになっていて、前にはテラスがあってテーブルといすがあった。小屋は2階建てで、まさしく森の中にあると言うにふさわしい。

 テラスで一息ついた後、小屋の玄関に入って窓口でテントの受付をした。500円払って5番の木の札を受け取ったが、受付の若い男性が「最近はテントの人は着くのが遅いですね」と口をこぼした。斜面にあるのか、テントサイトは所々に点在していて1張分ずつ平らに段々畑よろしくならされている。案内図と照らし合わせて見るが、なかなか指定されたテントサイトが見つけられないでいた。それでもようやく見つけ、テントを張った。テントの外に木の札を付ける事になっているので、テントの上の方に掛けた。上側隣に2張のテントが張ってあった。テントサイト下部にはトイレがあり、近くに水場もあった。水場の水は沢の様に流れており、まさしくこれは大井川の源流の一つと言えよう。急斜面に作られたテントサイト故、急坂を行ったり来たりと多少不便な点は否めない。水を汲んで戻り、晩飯とした。すき焼丼と味噌汁であった。18時頃から雨がポツリポツリと降ってきた。そして夜半雨が激しくなった。

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コースタイム(全体はこちら)
時間 地点 コ メ ン ト 高度計
4:50出発
北岳山荘 岩稜の登り。前日両俣から登ってきた男性と再会。
5:50到着
北岳 5日目にしてやっと日本第2の高峰へ。360度の大展望で富士山はもちろん仙丈岳や甲斐駒・中央アルプス・八ヶ岳・鳳凰三山等が望めて更に塩見岳や南部の山々も望めた。「ザック挙げ」!続々と登山者が登ってきた。 計測3235m→
校正3190m
6:25出発
7:11到着
北岳山荘 山荘で2.5l分の水を補給。 計測2905m
7:35出発
8:09到着
中白峰 北岳や甲斐駒も望めた。かなり雲が増えてきた。前日熊ノ平へ向かった男性と再会。彼は広河原へエスケープするとの事。 計測3115m→
校正3050m
8:19出発
9:15到着 間ノ岳 360度の展望で富士山はもちろん北は北岳・甲斐駒・仙丈岳が望めて南は農鳥岳・塩見岳・悪沢岳・赤石岳が望めた。頂上には10人位。ザックをデポして出発。 計測3155m→
校正3190m
9:52出発
10:40到着 農鳥小屋 昼食。周辺には7・8人いて中には山伏から来た凄い人もいた。 計測2800m
11:00出発
11:36到着 西農鳥岳 頂上には4人。仙塩尾根や熊ノ平小屋が望めた。
11:42出発
12:10到着 農鳥岳 かなりガスってきた上に小雨。頂上は狭い割に人が多かった。
12:24出発
12:55通過 西農鳥岳 農鳥小屋付近は完全にガスってはいなかった
13:22到着 農鳥小屋 テント3張の内2張はゴアテックスエスパースだった。小屋のご主人に尋ねられた。小屋周辺は6人。北岳で見かけた母子向かってきた。
13:38出発
14:44到着 間ノ岳 夫婦と1人の女性がいた。それからガスの中進む。
15:07出発
15:42到着 三峰岳 前日同様ガス、15:53出発、険しい尾根となるが三国平に近づくにつれ尾根が広くなった
15:53出発
16:30到着 三国平 ハイマツと土の平原。下り切った所にある井川越は右側がガレていた。
16:36出発
17:05到着 熊ノ平小屋 森の中にある小屋、テントサイトは点在していた。18時頃から弱い雨が降り始めて夜半激しくなった。

3D図2
行程断面図




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